SNS・低俗な報道に騙されるな ANAシドニー線機内食の真実

航空会社の炎上。
相変わらず続いています。

ANA 到着前の「グルテンフリー」軽食にバナナ1本

今回の炎上はANA。
あまりにも機内食が少なかったことに腹を立てた男性がクレーム。
抗議し、結局、本来は出発後の夕食で出されるはずだったチキンソテーも一緒に出してもらったとのことです。

実際、ANAの機内食は欧米の航空会社と比較して少ないのは事実。
しかし、今回の報道には確かめもせずに悪意を持って報道されています。

Londoner who ordered gluten free meal on nine-hour flight is given a single banana to eat with knife and fork EveningStandard

この見出しだと9時間でバナナ1本しかでなかったように感じますよね。
でも、実際には到着前の軽食のことです。

そもそもの出所はイギリスの無料夕刊紙

今回、情報の出処はイギリスの無料夕刊紙であるイブニング・スタンダード。
ロンドンの路上の売店近くに置いてある無料紙です。

実際にどういう報道だったかというと…

 同紙によると、この男性は小麦などに含まれるグルテンに異常反応を起こすセリアック病を患い、飛行機に搭乗する際は毎回「グルテンフリー」の機内食を注文。今回もリクエストしたところ、到着約2時間前に出された朝食で乗務員から「特別食」としてバナナが出され、卵、ソーセージ、マッシュルームなどの「イングリッシュブレックファースト」が供された他の客から失笑されたという。

全日空、到着前の「グルテンフリー」軽食にバナナ1本 英国人男性抗議でチキンソテー追加 出発直後の夕食では特別食のほかに通常食も提供 2017.5.9 11:11 産経ニュース

確かにバナナ1本だと寂しいのは事実。
しかし、卵、ソーセージ、マッシュルームなどの「イングリッシュブレックファースト」が供された他の客から失笑されたというのは事実ではありません。

イブニング・スタンダードのページにある動画だと、この男性の座席は33A。
エコノミークラスの後方座席です。

周りにイングリッシュブレックファーストを食べていた乗客はいません。
というのもANAの羽田-シドニー線の到着時の機内食はサンドイッチだけ。
日本のコンビニエンスストアにありそうなパッケージの三角サンド。
具材はハム、タマゴ、ツナ。

また、ビジネスクラスでもクロックムッシュはあるもののイングリッシュブレックファーストは提供されていません。

これ、かなり酷いよね。

以前であれば、無料夕刊紙のネタ的報道なので、拡散することはなかったのでしょうが、やはりユナイテッド航空や他の航空会社での問題の後だけに、一気に拡散していきました。

特に問題なのは、こぞって取り上げるアメリカのメディア。
伝言ゲームのように不正確な記事が拡散していきました。

2人前の機内食を食べていた男性

この乗客の男性、出発後の夕食ではグルテンフリーの特別機内食と通常の機内食、両方食べたそうです。

到着前の機内食もバナナとチキンソテーを食べたとのこと。
正直、良く食べるなぁというのが感想。

機内食が余っていれば出してもらえることも

機内食が余っている場合、有料機内食でない場合はもらえることもあります。
実際に私も、おかわりをもらったこともあります。

また、ヴァリグ・ブラジル航空が日本に就航していたころに搭乗したファーストクラスで、乗務員が機内食で創作寿司を作ってくれたことも。

今回の乗客男性も結果的に2人前の機内食を食べているのですから、コミュニケーションは問題なかったんだとは思います。


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