大規模な申告漏れや架空経費計上などが報道されています。
今回はそんな中、旅行系ソーシャルメディアインフルエンサーをめぐる経費の架空計上についてのフィクションをお送りします。
現在このブログは不定期更新です。
経費に感じる違和感
とある上席税務調査官が事務官と同行した事案で一抹の違和感を感じていた。
旅行系ソーシャルメディアインフルエンサーの税務調査での違和感。
過去数年の経費率がほぼ一定なのである。
経費率が一定なのは本来ならそれほど問題視しないことが多いのだが、コロナ禍においてはどの業種においてもほぼ一定ということはなく、売上が減ったのにもかかわらず経費は減らずに特に個人事業主レベルであれば赤字転落したり、あるいは大幅な黒字増加になっていることも多かった。
対象者はYouTubeをメインとして活動しており、YouTubeの収入が年によってかなり乱高下がある状態。にもかかわらず、コロナ禍を挟んだどの年も経費比率が一定。
一見すると怪しいところが無い。
家賃や光熱費などの家事按分についても大きな問題はない。
旅費交通費での調整疑惑
個人事業主なので家事按分はあるものの、とりたてて不自然な項目はないが、毎年の経費比率が一定。ということで、確認したのは旅費交通費。
ひとつひとつの旅費交通費についてはおかしいところはない。
航空券についてはe-ticketがあるし、ホテルも領収書がある。
でも、違和感を感じる。
特に航空券。
航空券の金額が正規運賃ばかり。
たまに、格安運賃やLCCなどもあるが、航空運賃は正規運賃と思われる金額が多い。ただし、年間を通じて正規運賃というわけではなく、年度の初めは正規運賃が多く、後半からは格安運賃や特典航空券と思われるものが増え、年度終わりの数件のみ正規運賃といった具合である。
調整している雰囲気が漂うのである。
搭乗券とe-ticketが合致しているか確認を
さて、この場合、どうすれば、確認することが出来るのだろうか?
それは搭乗券の内容とe-ticketの内容が合致しているか確認すること。
搭乗券には様々な情報が表示されてる。
PNRといわれる予約番号や航空券番号などQRコードやPDF417などで生成されたコードも。
税務調査の際には領収書だけでなく、搭乗券も確認、公開されている動画だけでなく動画の元データの確認も場合によっては必要になるだろう。
航空券番号、もしくは予約番号と氏名があれば発券した航空会社等に側面調査する時に具体的な内容を確認することも可能になる。
ここで調査する内容はe-ticketの内容が正しいかではない。
「搭乗の実績が確認できるかどうか?」「航空券が変更されていないか?」など、航空券が券面通りに使用されたかどうかである。
定期券購入を確認するために、会社に提出するコピーを撮った後で、定期券をすぐ払い戻しするのと同じような不正があったことを見抜くのである。
もう一つの方法としては対象者が加算したマイレージの実績を確認することである。
搭乗クラスなどもわかるし、具体的なマイルの加算は予約クラスや金額に基づくので購入した航空券と合致したものかどうかは容易に確認しやすい。
購入に使用したクレジットカードの明細で確認する方法もあるが、海外発行のデビットカードなど調査が難しい場合もあるので、様々な方法を併用していくようにしたい。
ソーシャルメディアインフルエンサーは国税庁の重点的な調査対象に
2025年12月に国税庁から発表されたデータ(令和6事務年度:2024年7月〜2025年6月)によると、個人に対する所得税の追徴税額は1,431億円となり、過去最高を記録しました。
今回のブログは悪質な事例となる経費の架空計上についてフィクションとしてお伝えしましたが、ソーシャルメディアインフルエンサーは国税庁の重点的な調査対象となっています。
今まで以上に適正な申告が求められます。


